協会設立の目的 | MISSION
当協会は、精油に関する正確な科学的知識を広め、科学的根拠に基づくアロマセラピーを
普及することにより、健康や福祉などの分野を中心に、人々のより豊かな生活に寄与する
ことを目的とし設立しました。
事業概要 | WHAT WE DO
私たちは当協会設立の目的を達成するため、次の事業を推進して参ります。
精油及びアロマセラピーに関する科学的な実験、研究、調査、資料等の収集
精油及びアロマセラピーに関する研究会、講演会、ワークショップ、セミナー等の開催
精油及びアロマセラピーに関する研究の奨励及び研究実績の表彰
精油を中心とした植物抽出物の機器分析と品質審査、認定証の発行及び認定マークの付与
精油及びアロマセラピーの普及・発展のための科学的な根拠に基づく教育、資格の認定、人材の育成、
講師の派遣、教材の監修
機関紙、ニュースレター、学術図書等の発行その他精油及びアロマセラピーの普及・発展のための情報発信
精油及びアロマセラピーに関する海外の関連事業者、関連学術団体、関連教育機関等との交流、連携、
協力関係の構築
行政、医療機関、介護施設等に対する精油及びアロマセラピー関連のサービス提供その他の福祉及び
社会貢献に関する事業
会員相互の親睦を目的とした事業
その他前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
代表理事ごあいさつ | FROM PRESIDENT
ピュアな精油の香りによる心と身体への
真に科学的な効果を探求して行きたい
永井 克也 代表理事
Katsuya Nagai M.D&Ph.D.
私がアロマセラピーの研究に従事し、精油に興味を持ち出したのは様々な方々との出会いの賜物です。糖代謝調節に自律神経が関与することを示唆する結果を大学院時代に得たことと、米国留学中にイヌの脳内に糖利用阻害剤〔2-deoxy-D-glucose(2DG)〕を投与した時に生じる脳内低血糖状態を克服するために血中のインスリン濃度の上昇を抑制し、グルカゴン濃度を上昇させて起こる高血糖反応には自律神経が関与することを示す結果を得たこととを契機として、血糖調節における自律神経の関与を証明したいと思っていました。当時、自律神経活動の測定法を開発された新潟大学医学部教授(後、新潟大学名誉教授)新島旭先生は全国の医学部からの依頼で大変お忙しい研究生活を送っておられましたが、たまたま私が赴任していた愛媛大学医学部に講義に来られた際にお願いして、2DGを脳内投与した際の副腎、肝臓と膵臓を神経支配する自律神経変化を測定して頂くことが出来ました、その結果想像通り、2DGの脳内投与はこれらの臓器を支配する交感神経を促進して、副交感神経を抑制することを証明することが出来ました。それ以来、親しくして頂いていた新島先生から「グレープフルーツ精油とラベンダー精油の香りによる匂い刺激はラットの自律神経活動を変化させますよ、一緒に研究しませんか?」とお誘いを受けて、自律神経活動の変化に伴ってこれらの精油の香り刺激が引き起す生理機能変化を引き起すことを証明しました。これを契機として、私は偽薬(プラセボー)効果だと思っていた精油の効果が現実に起こることを信じるようになりました。
2006年大学を定年退職して始めた企業活動でも新島先生との共同研究は続けておりましたが、2011年ベルギーの学会に講演のために招待されたことを契機としてフランスのブルゴーニュの中心都市Dijonにある国立味と匂い研究所を訪ねました。その折、ボーヌ村の葡萄畑を訪れて出会ったフランスの植物療法の入門書が植物の美しい色彩の写真とその効果の記載を見て、その本を翻訳したくなり、その著者がレンヌ大学教授ということで、レンヌ大学本部にメールを出して問い合わせました。その結果、その教授は既に退官しておられていたのですが、その方の弟子に当たる薬学部のロイク・ビュロウ教授を紹介して頂きました。その当時から日本に入って来ている精油の純度には疑いがあったので、同教授にピュアな精油を販売してくれる人を紹介して欲しいとお頼みした所、精油について知識が深くピュアな精油を販売する会社、Laboratoire Rosier Davenneの設立者であるドミニク・ダヴェンヌ氏を紹介して頂きました。ドミニクはフランスでのアロマセラピーや美容関係では有名な精油の専門家であり、薬草薬局での精油の処方の指導やフランスの化粧品会社であるロレアル、クリスチャンディオールなどのコンサルタントも務めていました。このお二人にお会いしたのは2013年でしたが、このお二人に日本のアロマセラピーを科学的なものにしたいと申し上げたところ、このお二人もフランスで同じことをしたいということでした。更に、フランスで国家資格を授与するアロマセラピー・コースが2014年9月からレンヌ大学を始めとするフランスの3つの大学で開設されましたが、このお二人はレンヌ大学薬学部でのこのコースの中心的な存在として主任講師を務めておられます。その間、近畿大学農学部で精油のガスクロマトグラフィーや質量分析機を用いる分析を行っておられた富研一先生にも出会い、富先生の精油に関する研究にも大いに感銘を受けましたが、特に輸入される精油の多くに偽和(混ぜもの)があることを嘆いておられました。また、私が大学在職中から講演に出かけていたフラグレンスジャーナル社のセミナーで専門的なことを質問されて来たベンゼル智子先生からは主催される日本ホリスティックケア研究所での講義もずっと依頼されており、その後も私の研究に興味を持って頂いておりましたが科学的アロマセラピーの推進にも志を持っておられることを知り、同志として同じ思いを抱いておられることを知りました。また、富先生からはアニマルアロマセラピー協会副会長の田邉和子先生を、ドミニク・ダヴェンヌ氏からは香寺ハーブの福岡譲一社長を、それぞれ紹介されて、同じ志を持っておられることを知り、今般、一般社団法人サイエンティフィック・アロマセラピー協会を設立することに至りました。
このように、大学定年前後に小生が出会った方々と、科学的な証拠の基にピュアな精油を使った正しいアロマセラピーを確立することを目指して設立したこの協会はその使命を果たして行きたいと考えております。したがって、同じ志を持たれてアロマセラピーを志向される方々には奮ってこの協会に加入して頂き、活発に活動して頂くことを願って本協会設立のご挨拶に代えさせて頂きたいと存じます。
経歴
1967年 大阪大学医学部 卒業(1968年医師免許)
1972年 大阪大学大学院医学研究科博士課程 修了(医学博士)
〜愛媛大学医学部助教授、大阪大学蛋白質研究所助教授を経て
1995年 大阪大学蛋白質研究所教授
2000年〜2004年 大阪大学蛋白質研究所所長
2006年 大阪大学定年退職(大阪大学名誉教授)
2007年〜 株式会社ANBASを設立(代表取締役社長) 現在に至る
所属中もしくは過去に所属した学会
日本生化学会(評議員)・日本肥満学会(名誉会員)・日本神経科学協会
国際医科学研究会(理事)・北米神経科学会・国際時間生物学会(理事)
海外留学
1974年〜1976年 米国シカゴ大学博士研究員(主任、L.A.Frohman教授)
専門
主な著書
脳と生物時計:からだのリズムのメカニズム
ブレイン/サイエンスシリーズ第5巻(共著、共立出版)
「自律神経による生体制御とその利用」科学と生物 Vol.51, No.3, 2013
生化学、神経科学、時間生物学、肥満学(第25回肥満学会会長)
体内時計と自律神経による代謝調節に関する研究に従事し、体内時計である脳・視床下部・視交叉上核が自律神経調節、ひいては生理機能に重要な役割を果たすことを明らかにして来た。また、精油の香りが自律神経制御を介して生理機能に影響を与えることを明らかにした。
理事 | BOARD OF DIRECTORS
博士(農学)
臭気判定士
ベンゼル智子 理事
按摩マッサージ指圧師
日本ホリスティックケア研究所代表
IFA認定アロマセラピスト
福岡 譲一 理事
株式会社香寺ハーブ・ガーデン前代表取締役社長
甲能 純子 理事
東京大学大学院新領域創成科学研究科 自然環境学専攻
歯科医師・歯学博士
日本アニマルアロマセラピー協会会長
森山 未央 理事
株式会社 資生堂
グローバルイノベーションセンター
ブランド価値開発研究所 香料開発グループマネージャー
ドミニク・ダヴェンヌ 学術顧問
Dominique Davenne
フランス 国立レンヌ大学 薬学部
アロマセラピーコース 元主任講師
1994年
ダヴェンヌ研究所を創設し、化粧品業界、皮膚製薬業界にて精油の供給をはじめる。
バイオテクノロジー製品会社のCEO、フランス老舗天然香料メーカーRoberte社研究プログラムの精油の生物活性に関するコンサルタントなどを歴任。
2004年
アンリ・ロジェ氏と共にロジェ・ダヴェンヌ株式会社に変更。上記活動のほか、ル・アーブル大学、モンペリエ大学、マルセイユ大学の自然科学部の教師経験。
2014年
レンヌ大学薬学部におけるアロマテラピーの国家資格を与えるコースの
コーディネーターであるとともに、精油の講座を担当する。
2019年
一般社団法人サイエンティフィックアロマセラピー協会の学術顧問に就任
アロマテラピーが医療として確立しているフランスにおいて、ラボラトワール・ロジェダヴェンヌ社は医療に使用する事(フランス薬局方に基づく処方)が認められている精油を販売する会社2社のうちの1社である。世界の生産者と連携を取り、偽和(混ぜ物)のないピュアで良質な精油の販売を行っている。