JSSA公開講座　自律神経シリーズ（４）「自律神経と肥満、精油との関わり」

私たちは、摂取するカロリーが消費するカロリーを上回った時に余ったカロリーを中性脂肪として脂肪組織に貯蔵します。

中性脂肪は、分子中の酸素が少なくて、酸化してエネルギーを得るカロリーは多いことと、脂肪細胞は貯蔵可能量が多く、大きくなると細胞の核やミトコンドリアなどを細胞壁に押しやり、極めて大量の中性脂肪を詰め込むことができるので脂肪組織は極めて効率の良いエネルギーの貯蔵方法を提供します。

しかしながら、脂肪細胞が大きくなりすぎると炎症性サイトカインなどが分泌されて炎症を起こしたり、摂食を抑制するために血中に分泌されるレプチンは殆どの臓器・組織を支配する交感神経を促進するので、生活習慣病と言われる血圧や血糖を高め、動脈硬化を引き起こすことになります。

しかし、脂肪細胞が小さくなるとアディポネクチンと呼ばれるホルモンが血中に分泌されて、多くの交感神経を抑制して、血糖や血圧を低下させることになります。

肥満の治療にはカロリーの摂取量を減らし、運動することが求められますが、肥満になるとその治療は難しい。インスリン分泌を促進するGLP1は食物由来の栄養分が腸に入ると血中に分泌されますが、これは回腸に食物が至ると放出されたGLP-1が摂食を抑制するので、回腸ストップとも言われて摂食抑制作用があります。

注射液や経口投与によりGLP-1受容体刺激剤が投与されると摂食を抑制して肥満が解消しますが、この方法には副作用があります。本講義では純度の高い精油による食欲抑制と脂肪分解による肥満解消法について解説いたします。